先日の土日は、各家家での雪下ろし風景がみられました。年末を控えて、のんびりと過ごしたい思いもあるので、年末に備えて雪下ろしや除雪作業も活発になると思います。
石材でのハツリとは、コンクリートを斫る作業とは異なり、元々は石材を加工する工程の一部となります。今回は一度石材を機械を使用して全面を切ってからハツリ作業を行いましたが、機械のない頃は原石(丁場=石を掘り出すところより取り出した凸凹の石)を加工して行くのには以下のような工程がありました。
原石をセリ矢という道具を使用して、必要なサイズに小割します → その表面を荒ハツリと言って、凸凹の表面をノミを使用して平坦に仕上げます → ノミ切り作業でさらに細かくハツリます → ビシャンという工具でさらに平坦に仕上げます → 小叩きという工具でさらに平坦に仕上げ → 砥石で磨き加工
大まかな工程ですが、このような流れでした。その中の荒ハツリの工程を再現したのが今回の加工となります。ただし実際の荒ハツリよりは細かい仕上げとなっています。
機械加工にはない手加工品としての美しさがあります。この飛騨地方には古くからの貴重な文化財が多く残ります。特に高山市ではその文化財の保護や修復に力を入れてあり、この世に石材に対しても中国製品ではなく地元石材でのこのような古い加工方法の製品を使用してあります。木造建築物から見ればそれほど目立たないですが、このような部分にこだわりを持ってもらえますと石材関係者としてはうれしい限りです。
砂原 吉浩