お墓の形について宗派による違いは、前回説明をいたしましたが、今回は地域による違いです。この飛騨地方は東海地方の中にあり、一般的によく見かけるのは「名古屋型」と呼ばれるお墓の形です。
この「名古屋型」の特徴は、竿石(南無阿弥陀佛や○○家之墓などと彫る部材のこと)の上の部分の両側が丸く加工してあることです。この竿石の頭の部分の形は、関東から東北地方に多いのは香箱という形で、北陸や関西地方に多いのは四方丸という前後左右を丸く加工る形です。以前は、陣笠という形が一般的でした。
また、線香やローソクを建てる部分の石に屋根が付いているのも特徴です。以前はその前の水鉢・花立・香炉の形から形を変え、花立・水鉢を含めデラックス型などと言われていましたが、現在ではこの形が一般的となりました。
以前の名古屋型
屋根香炉のデラックス型
この屋根香炉は、現在では全国的に広がっていて、この東海地方以外でもお墓に使用されているのを見かけることがあります。花立部分を見ても、関東や関西では違いがあり、全国一緒という事はありません。
このように、お墓の一つ一つの部分を見ても、日本全国同じではなく、どちらかというと地域性が出ていると言えると思います。
砂原 吉浩