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ブログ お墓で使用する石(その1)

2022年2月8日

お墓に使用する石というと、どんな石を想像されますか?硬くてピカピカ磨いてあるというイメージが多いと思います。では、実際はどうのような石となるのでしょうか?「御影石(みかげいし)」という言葉を聞かれたことがある方も少なくないとおみます。墓石に使用される石材の多くはこの「御影石」が使用されることが多いです。

では、「御影石」とはどのような石でしょうか。花崗岩や花崗閃緑岩(せんりょくがん)を含めての通称のような言葉として使用されていますので、花崗岩=御影石ではないようです。花崗岩は学校の授業でも出てきた言葉で、記憶にある方も多いと思います。

花崗岩は、マグマが冷え固まってできた火成岩に分類され、火成岩も地表近くで急速に冷え固まった火山岩と、マグマが地下深くでゆっくりと冷え固まった深成岩があります。花崗岩は、この深成岩に分類されるようです。花崗岩は、石英・斜長石・カリ長石・黒雲母といった鉱石で構成されています。

「御影石」という言葉は、どこから来たのでしょうか?花崗岩は学術的な用語としてありますが、「御影石」という言葉は、学校の授業でも出てくることは少ないと思います。この「御影石」とは、日本固有の言葉で、兵庫県神戸市東灘区御影地区より産出された花崗岩を「御影石」と呼んだのが始まりと言われています。それから、国内で産出される主に花崗岩のことを「御影石」と呼ぶようになりました。現在でも、この地方で採れる花崗岩については「本御影石」と呼ばれ、他の地域で採れる「御影石」とは違う呼び名をされています。この「本御影石」は、薄ピンクのような色をしていて、美しい色の花崗岩です。

閃緑岩(せんりょくがん)や斑糲岩(はんれいがん)も、「御影石」と呼ばれることがあります。黒色をしているため黒御影石と呼ばれますが、実際には花崗岩ではありません。「御影石」はその色別で、白御影石や赤御影石と呼び名で分類されることがあります。

よく石材というと、「御影石」よりも大理石という言葉の方が身近に聞こえる方も見えるかもしれません。大理石は石灰岩(せっかいがん)の一種となり、見た目が鮮やかで美しく高級感のあるものが多く、ホテルなどの内装などに多く使われています。磨くときれいな光沢が出るのは花崗岩と同じですが、外部ではその磨いた艶が落ちてしまったり、カビが出たり、強度も弱いために国内での墓石材としての使用は少ないです。大理石という言葉は、中国雲南省大理ぺー属自治州大理市で産出されたことから由来しています。ちなみに、花崗岩=granite・大理石=marbleとなり、石の品番などの頭文字に、GやMと表記して花崗岩(御影石)と大理石を分別することがあります。

花崗岩は、磨くと光沢が出てとても美しい表情を見せます。また、強度も高く、墓石材としてはもとより、建築材や土木材にも広く利用をされまます。石材業界では、花崗岩という言葉は使用せず、「御影石」という言葉を通常を使用していますので、お墓の石材についても「御影石」という言葉を用いています。

お墓の材料としては、以前は地元で採れる石材を使用して建てられていましたので、地域によっては軟石と言われる柔らかく「御影石」に比べ風化に弱い石材で建てられることがありました。時代とともに採掘技術や機械などが発達し、「御影石」の大きな材料が採り出せて、石材機械も大型の機械や自動化などどんどん進化をしていきました。また道路のインフラも整備され、日本各地の石材産地といわれる地域から、日本国内の広い範囲へ石材や、その石材でつくられた墓石などの製品が出荷されていきました。それにより、墓石の材料も、「御影石」が主流へとなっていきました。

砂原 吉浩