お墓に使用する石材の多くは、御影石と呼ばれる石となります。では、御影石はどこで採れるのでしょうか?よく国産御影石という言葉が、石材業界では使用され、ホームページやチラシ、店頭ののぼり旗などで見かけることもあると思います。
国産御影石とは、その名の通り日本国内の丁場(石材業界では石材の採石場をこのように呼んでいます)と呼ばれる場所で採れる石材のことを言います。学術的には花崗岩ではない石材も、総称として御影石と呼ばれ、白御影石・黒御影石・青御影石・桜御影石など、その色に合った呼び名で、わかりやすく分別されています。赤御影石は、そのほとんどが外国からの輸入石材となります。緑色に近いものや、茶色に近いものなど数は少ないですが、御影石の色の種類は幅広いものがあります。
弊社展示場にお見えになるお客様も、実際の石材般プルをご覧になられて、「こんなにも種類があるとは思わなかった。」と驚かれる方もお見えになります。その石材が採れる丁場は、国内にいくつあるのでしょうか?確かなデータはありませんが、私が12年目に調べたところ350近くの丁場もしくは採石業者がありました(御影石以外の石材を含みます)。ただし、ネット環境も現在のように十分な情報も得られない状況だったので、正確さには欠けますが、自分自身も思っていた以上にあることが驚きとしてありました。実際には、この数字以上は当時あったと思います。
現在は、外国からの輸入材の影響や、石材の量の減少・後継者問題・環境問題などにより閉山なども少なくないようです。地域的には、北海道から沖縄まで石材は採れ、そのうちの御影石と呼ばれる石材が、墓石材の主流として現在まで至ります。地域によっては、地元で採れる石材が凝灰岩のような、御影石とは異なるどちらかというと柔らかい石材で墓石が作られている場合もあります。これはまだ道路などのインフラの整備も進んでおらず、その地域ごとで出る石材を使用してお墓を建てていたということで、この飛騨地域でも「大洞石(おおぼら石)」や「大倉石(おおくらいし)」など、地元で採れた石材で墓石を建ていました。
その後、丁場での大型機械の導入や、採掘技術の発展、石材加工場の機械の発達、道路などのインフラの整備などの時代の変化とともに、御影石が各地へと出荷されていく中で、墓石の材料も硬くて風化に強い御影石が主流となって行きました。
砂原 吉浩