飛騨の紅葉も見ごろを迎え、休日を中心に多くの来訪者で高山市をはじめ、観光地は賑わいを見せています。街に活気があるのもいいものです。観光バスの往来も見かけるようになり、JRを含め移動方法もの従来の形に少しづつでも戻りつつあるのでしょうか。
さて、今回は墓地の整備工事のご依頼を頂きました。お墓は既に建っているのですが、その周辺の管理が大変になってきているという事で、今後を見据えての整備工事となりました。
個人の所有の墓地ですと、草刈りなどその周辺の管理を含め全て所有者が行う事となります。よって、その労働力は敷地が広いや、山に近いなどの条件ですと、かなり必要となります。
先祖が植えた木や花、元々あった石積みなど当時はお墓を彩る様々な景観上好まれたものであったと思います。その全てが必要でないという事ではなく、先人の思いを考えながらの工事となります。
まずは、墓石の洗浄と傾き直しを行いました。お墓は黒御影石の立派なお墓ですので、洗浄をして傾き直しを行いました。お墓の洗浄や、その他の工事依頼の際に現地に伺いますと、お墓が傾いていたり、ズレていたりしているケースも少なくありません。お客様へその事を伝えると、驚かれる方、気づかなかったと言われる方が多いです。
石は重いものであるから、傾いたり、ズレたりすることがあるという事を想像することは、普段のお墓参りの際に気づくことは無いと思います。しかし、現在のように耐震施工が基本行われるようになる以前は、ただ石を積み重ねるだけで、それこそ石の重さに頼った施工でした。
また基礎工事も現在のようにコンクリートを使用されていない時代のお墓もあり、何らかの影響により少しでもバランスを崩すと、石の重さがある為、傾きに力が加わり墓石が傾いていくと言事があります。
寒冷地では、重ねてある石と石の隙間に雨水や、雪が解けて水になりそれが入り込みます。それが気温が低くなると氷となり、また溶けてを繰り返しますと、いくら重量があるとはいえ、ズレていく事があります。
砂原 吉浩