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ブログ 石碑の色入れ

2020年11月23日

今日11月23日は、地元の大歳神社でも秋祭りが行われていました。この秋祭りは「新嘗祭(にいなめさい)」と呼ばれ、春先に五穀豊穣を祈って祈年祭を行い、空きには申告をお供えをして神の恵みに感謝するためのお祭りだそうです。

先日、神社の由来碑の文字の色が取れてしまったので入れ直して欲しいという依頼を頂きました。以前は、石碑(お墓や墓誌などを含む)に文字を彫った後に色を入れる場合、市販のラッカースプレーを使用しているケースが多かったです。実際に石材専用の塗料は無く、代用としての使用となっていました。

色入れから数年は持ちますが、やはり石材用でない為表面より剥がれ落ちたり、色が溶け出して石にしみ込んだ入りするケースも多く見られます。一時は色入れをしておりましたが、そのような事もあり、特にお墓の場合は色入れに関してはご要望がない限り控えてまいりました。

近年は石材用の塗料も販売され、以前のように剥がれたり色が流れ出たりという事も改善されることとなりました。そのため、以前色が入っていたケースで入りが取れてしまった状態での、新しく色の入れ直しのご依頼も増えてきいます。

今回は神社の由来が記されている石碑ですので、はっきりした文字として読んでいたけるようになりました。文字に色を入れるだけで、このように美しく仕上がります。

石に色を入れると、石材の本来持つ美しさや質感を損なうケースもあります。しかし、このように読んでもらう必要があるケースでは、やはりしっかりした文字を表現する事も必要で、色を入れる事で石自体が引き立つこともあります。

簡単に色を入れる入れないではなく、その必要性であり、石碑としての位置づけなどを考慮して決めていければいいと思います。

砂原 吉浩