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建築 岐阜県産の石

2021年2月13日

先日は石材の仕入れに行きました。久しぶりの丁場(石を切り出すところ)での石の検品をして、なんだか石屋さんになった気分でした(笑)お客様よりご注文を頂いた件で、石を探していてちょうどいい石材がありそうという情報がありましたので実際に検品に行きました。

これは実際に届いた石材です。形が真四角ではありませんが、今回のお客様のご要望が「さび石」だったので、このように石全体がさび色石を購入しました。このさび石は岐阜県中津川市で採れる石材で「蛭川みかげ石」(恵那御影石とも呼ばれる)と呼ばれる石で、真っ白の石が多く取れる丁場がほとんどで、真っ白い部分や、白とさびが混じった部分、このようにさびだけの部分に用途に分けて使用することが多いです。

白い部分は大きな材料と多くの材料がが取れるので鳥居やお墓の材料・建築石材・石積み材などに利用されました。白とさびの混合した石材は、石積み材や建築石材などに使用されています。さび部分は建築石材や石積みなどの造園材に使用されます。

国内の石材同様にこの蛭川みかげ石も、丁場が全盛期に比べると減っており大きな丁場も少なくはなっています。ですので、このように全体がさび石という石を探すのも簡単ではありません。それはさび石自体に色のムラがあり、色の濃淡があるからです。それ自体は自然のものですから問題はありません。ただし注文をいただいた内容につての石材は色合わせをしていきたいものですから、それが採れる大きさの材料を探す必要があります。

さび石は濡れるとこのように色が濃くなります。磨いた場合はこれに近い状態となります。石を磨いたらどんな色になるかは、水を掛けて濡らしてみるとそれに近い色が出ますので、磨いた時の予想を付けることが可能です。

蛭川みかげ石も石目に小目と中目があります。丁場によってはもう少し大きめの石面の所もあります。違いは、石の結晶の細かさとなります。石の結晶が細かいければ小目、大きければ中目、もっと大きければ荒目となります。これは、石の細かさを表現する用語で、全国ほぼ同じように使用します。

原石を知ると、石材についてより深く知ることが出来ます。逆に石を知るには原石を知ることが、その後の石の使い方や加工の仕方にもつながるので楽しいです。

砂原 吉浩