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建築 岐阜県産の石 その4

2021年2月22日

さて磨き工程の風景です。このようにして水を使用しながら、いくつもの砥石を使用・交換しながら磨きをします。

水を使用するのは、石を切る場合と同じで研磨盤が石との圧力により磨くわけですが、その際に熱が発生して砥石と石が焼けてしまうのを防ぐためでもあります。ですので、冬の寒い時期でもこの水を使用する作業は避けられません。

この砥石は石材にもよりますが8個程度を順番に使用します。最初は荒目の砥石で石の平面を作り、それから順番に細かい目の砥石へと加工工程を進めます。

最終工程は「バフ」と言って、水を最小限に抑えて一気にこのように仕上げます。この「バフ」で仕上げないとこのような光沢は出ません。また、この「バフ」までの工程を丁寧に仕上げなければ、いくら「バフ」仕上げをしても砥石の跡が残っいていたり、光沢がぼやけたりしますので、一つ一つの工程において手を抜くことが出来ません。この最終仕上げの時にその職人さんの手腕が現れます。

上の画像が原石の状態です。この原石の状態で使用する際は「割肌仕上げ」と言って、自然の状態を表現したい場合に使用されます。下の画像は本磨き仕上げです。同じ石でもこのように表情が変わります。これが石の魅力であります。料理と同じく、同じものでも加工の仕方や使用する場所での選択により、様々な表情を見せてくれます。これ以外にもまだまだ仕上げ方法はあります。こんな石の魅力を多くの人に知って欲しいと思います。

砂原 吉浩