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ブログ 石材を切る刃

2022年1月18日

固い石材を言ったどのような刃で切るのか?丸鋸と言って、丸い形をしているということは、なんとなくイメージ出来る方は多いと思います。丸鋸のことをブレードとも呼びます。その丸鋸の先端部分はどうなっているかと言おうと、工業用ダイヤモンド(砥粒=ものを研ぐ,削る,磨くなどのために使われる高硬度の粒状または粉末状の物質の総称)がたくさん埋め込まれたチップという角柱のような形をしたものが付いています。

この先端にある部分に着いているのがダイヤモンドチップと呼ばれるものです。そこに見える細かいツブツブしたものがダイヤモンドです。ダイヤモンドといっても、指輪やネックレス等に着くような装飾品の高価な天然ダイヤモンドではありません。このダイヤモンドが石を切るうえでとても重要な役割を担います。このダイヤモンドを埋め込んであるチップは金属がベースとなっているボンドとなります。ダイヤモンド砥粒と複数の金属・合金の粉末を混ぜ固めて焼結することで砥粒を固着し、砥石として構成してあるということです。

このダイヤチップも重要で、石材の硬さによりこの硬度も違いがあり、切削する石材より使い分けることがあります。このようにして、使用する石材と、チップの相性によりチップの長持ち度や、石材の切れ味や切るスピードなどの変化が出てきます。

写真のチップの横のu字型の溝のような部分は、切った際の石粉を排出する役目があります。石を切る場合、工場内での機械の場合は、常に水を掛けながらの切削となります。これはダイヤモンドチップを冷やす役目があります。

この細い線のようなものは、石を切る際に出る音を抑える役目があります。石を切る場合、固い石をダイヤモンドで切るのですから、耳を抑えるような大きな音が出ます。この細工がしてある丸鋸(ブレード)は音が抑えられます。それでも、二人で機械の近くで通常の会話をすることは困難です。高音が抑えられているような印象ですので、音がすごく小さくなるというような事はありません。

正面から見るとこんな状態です。チップの幅は1センチ程度あります。直径の大きな丸鋸だとこのようにチップの幅も厚くなります。直径の小さな丸鋸だと、このチップの幅も狭くなります。ですから、10回丸鋸で切ると、10センチ分の石が石粉となって水と一緒に流れていくわけです。ですから、原石から石を切り出す際も、この何回切るかの回数も計算をしないと、最後になって石の寸法が足りないということになりますので、気を付けなければなりません。特に貴重な石は、要注意です。

石を切ることは機械にセットすれば自動で切ってくれるのですが、このように、石材に合わせてチップの硬さの合う丸鋸を選んだり、それによる石を切るスピードを決めたりと細かい作業をこなさなければなりません。しかし、この作業も機械があることで学べるわけで、とてもありがたく思います。

砂原 吉浩