新着情報NEWS INFORMATION

お墓 先人の知恵

2020年6月27日

今日は飛騨地方も梅雨空で、一日雨模様のようです。天気予報もこれから雨マークが多いですね。雨も世の中には必要ですし、休日であればのんびりとという日になるのでしょう。

この画像は何を写しているか?

寸法(数字)ではなくて、この定規と石の隙間に注目をしてください。定規が接しているところから、少しずつ隙間が広がっていることがお分かりになるとおみます。

これは失敗作だとか、不良品という事ではありません。この画像は、墓石を今回磨き直すために、自動研磨機(自動で石材を磨く機械)にセットをした墓石の竿石(文字の彫ってある部分)の側面です。

なぜこのようになっているのかというと、昔は石を磨く際に砥石を使用して職人が手で磨いていました。そのため、平面を磨き光沢を出すことはとても大変な作業でした。

そこで、少しだけ局面にすることで平面よりもより光沢が出る事を利用して、工夫をしたという事です。最初の画像は、中央から外側に局面をつけてあることがわかるように見せてある画像となります。

まさしく先人の知恵です。このようなことを知っている職人も今は少なくなっています。下の画像は現在の機械で磨いた平面になります。現在は、機械を使用するので、精密に平面が出て、きれいな磨き面が出せます。

このように、古いお墓や構造物に触れる機会はとても学びの機会として重要となります。ただただ解体して組み直したりするのではなく、どのようにして加工してあるのか、どのような組み立て方なのかを学び、今後の実践の場に生かせればと思います。

砂原 吉浩